Sabu Roku OVERDRIVE

硬いパンを焼く。いろいろやる。食べる。

製麺機を買って5kg太るために5kg痩せた

確か桑の実が熟れる頃に玉置標本さんから製麺会へ誘われた。

私はパン・バクラヴァ・鯖の燻製などを持参して会場に行くとピザを焼くということなので生地をこねたりした。当日はラーメンとピザと温度管理調理などのテーマが混在しており料理の社交界といった感じだった。

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 会場内には鋳物の製麺機がありパワフルさに感動して帰宅した。

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 帰宅して妻に相談すると5kg痩せる条件を満たした場合にのみ購入を許されることとなった。

製麺機を買うと今以上に太るからというのが理由らしい。つまり5kg痩せれば製麺機と「5kg太る権利」が与えられるということになる。私は5kgで製麺機、追加で3kg痩せれば新しい椅子を買うという要求を出して「5kg太る権利」を煙で覆って隠した。

もちろん痩せた後に元に戻るつもりはないが、このようにして自分も騙して誤魔化さないと生活習慣など変えようもない、どうしようもない性格なのだ。

 

ということで5kg痩せることにしたので生活習慣を変え、パンを作り、燻製をし、野草を観察しながらキノコを探した。

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 念願のタマゴタケを見つけた頃には、ほぼ5kg痩せていた。

妻に痩せたことを伝えると製麺機の購入許可が出た。が、痩せたことで製麺機の購入欲を忘れてしまっており、しばらくは既存のパスタマシンで製麺するたびに「そういえば製麺機を買わないと」と思う程度になっていた。

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 購入しないのはヤフオクに出されている製麺機を見てもピンとこなかったからかもしれない。

美品を買うのは良いがその後どうするのか。運用は1台で足りるのか。長期利用を見込むならリストアやメンテナンスの技術を身につけた方がいいのではないか。

そういう悩みを整理して全く妥協しない理想を列挙すると以下のようになった。

・美品でないが利用は可能で近いうちにメンテナンスの必要そうな製麺機を買う。

・メンテナンスを要す理由をつけて必要な道具を徐々に増やす。

・小野式2型を落札してリストアし、2台体制を構築する。

 

「そんな都合の良い話はないだろう」と思っていたら最近 製麺沼にハマった方から「美品とはいかないが利用可能にした製麺機を里子にどうか」と声をかけていただいた。

まさに渡りに船。運命とは不思議である。

数回のやり取りの後、そのうち送ってくれる運びとなった。

 

そしてクリスマスの日、仕事を終えて帰宅すると製麺機が届いていた。

靴下には入っていなかったが感激した。こういう喜び方をするのは何年ぶりだろうか。もう忘れてしまった。

 

早速組み立てて撮影した。

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 パスタマシンと同じ「M」の字があり、送り主さんとのやり取りでは「丸M君」と呼称していた。何式か不明の製麺機。

他の製麺機も紹介されたがこの片足にMの字があるのが気に入った。パスタマシンと共通したMの字に運命を感じた。

 

そして年が明けて丸M君を本稼動させて製麺を開始した。

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 やはり鋳物の製麺機はパワフルでパスタマシンとは違った楽しさがある。

麺の幅も調度よく、尾道ラーメンの平麺を再現するのに都合が良さそうだ。

 

今後ともよろしく丸M君。

オレガノバジルのパンstyle2017

私がパン作りを始めたきっかけの1つに、とある居酒屋で出されるハーブブレッドを作れるようになりたいというのがあります。

オレガノバジル以外のパンは副産物のような位置づけです)

様々な手法を試すことにより2017年が終わった時点の状態を一旦コミットすべく、当記事に作り方を記載します。

 

まずは入力情報を整理します。

店主から得たヒントは以下の通り。

・ハーブはオレガノとバジルで、分量は適当。

・コネない。

・30分以上焼く。

・食べるのは焼いてから12時間以降。

・一番安い中力粉を仕入れて使ってる。

・大したことはしていない何もかも適当である。

 

上記の入力情報をもとに様々な方法を試みましたが、工程が不明なため似ているけれど何かが違うパンばかりが出来上がってしまい悩みました。

そこで「店主は可能な限り楽をしてパンを焼いているのでは無いか」という仮説を立てて推察したところ「材料を混ぜた直後に成形して冷蔵庫内で1次発酵し次の日に焼く」という方法を思いつきました。

この「成形後1次発酵」の方法を適用すると1次発酵とベンチタイムまでの待ち時間を事実上省略できるため、作るのが楽です。

と言うことで早速作ってみましょう。

 

--作り始める前に--

パン作り作業は焼成する日の前日夜以前に行ってください。

上記の記述だと解りにくいですが、要約すると「寝る前に成形して朝焼く」と言う作り方です。

食べるのは焼成から9時間〜12時間後です。

 

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材料を混ぜます。現段階の分量は以下の通りです。

・小麦粉200g

ドライイースト2g

・はちみつ等の糖分2g

・塩2g

オレガノ1g

・バジル2g

・ぬるい温度の水 130cc〜140cc

(水の量の適正値については気温、湿度、小麦粉の特性、オーブンの特徴によって変わるっぽいので残課題です。悩んだら135ccでやるのが良いと思います。生地がダレない程度に混ざれば問題ありません。)

 

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混ぜた状態です。

小麦粉が水に混ざったら次の工程に行きます。コネなくて大丈夫です。

 

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四角形に広げます。大きさ、厚さは適当です。

この時点で溶けていないドライイーストの塊が見えることがありますが無視してください。大丈夫です。細かいことは気にしなくて問題ありません。今は前日の夜です。もうそろそろ眠いでしょう。楽をしましょう。

写真を撮った時はやっていませんが、生地をのせる前に小麦粉を薄く引いておいた方が良いかもしれません。

 

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クルクルと巻いていきます。この時にスケッパーがあると便利。

 

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棒状に丸まったら成形完了です。

 

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クッキングシートの上に乗せて冷蔵庫に入れます。

この時点で小麦粉を振っておくとクープの開きが良くなることがあります。やってもやらなくても良いです。

セブンイレブンのクッキングシートがくっつかなくて便利です。

 

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冷蔵庫内の様子です。

あとはイースト菌に任せて寝てください。おやすみなさい。

 

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おはようございます。

朝起きたらオーブンの予熱(230度〜250度)を始めると同時に成形した生地を冷蔵庫内から取り出してください。

私は念のためコタツの中などの暖かい場所に入れていますが、暖かい場所でなくても問題ありません。

オーブンの予熱が完了したら生地に「小麦粉を振り(焦げ防止)」「薄い刃物で切れ目を入れ(生地内から出る水蒸気の出口を作る)」を行ってオーブン内に入れてください。

可能ならオーブンに入れる前に庫内温度計で230度〜250度くらいになったかどうか観測してから入れた方が良いです。

さらにオーブン投入後にスチームを入れるのが理想的となります。

オーブンへの投入後は30分以上焼いてください、パンの上部が焦げそうならアルミホイルを乗せて側面が焼けるまで待ってください。

焼成中の温度は180度〜220度であれば良いです。

温度について生地の投入直後はどんなにハイパワーにしても180度になったりしますが気にしなくて良いです。オーブンは頑張ってくれます。たぶん。

 

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美味しそうな色になるまで焼けたら完成です。

30分経ってもまだ焼けてなさそうなら美味しそうな色になるまで焼いてください。

焼いた後は放置して9時間〜12時間後に切って食べましょう。

クラスト(皮部)がバリバリで中身(クラム)は細かいので、どっしりタイプのパンになってます。

日本酒やワインに合います。

 

以上が「オレガノバジルのパンstyle2017」となります。

これが今までで最も「利き酒屋のチーズ3種盛りなどのオマケで付いてくるハーブブレッド」に近いパンを作る方法です。

 

残課題は以下の通りです。

焼成後の形があまり良くない。

 →成形前に1次発酵してないので生地に膨らみや伸びがなく成形しづらい。

  熱湯を使うなどすれば良いのかもしれない。

  そもそも切ったら形はわからない。気にしすぎではないか。

・水分の適正値が不明。

 →温度と湿度を管理する部屋を作らないと恐らく永遠に解決しない。

  クープの開き具合に影響する程度なので、それほど優先度は高くない。

  気にしすぎではないか。

・ほぼ完成と言いたいが本物を最近 食べていないので私の評価が違っている可能性がある。

 →友人が来た時に評価してもらう。

  自分の評価を信じよう。気にしすぎではないか。

 

完成までにはあと約3年を要する見込みです。

つまりあと約3年はこの探求で遊べると言うことでもある。

完成したらこのパンを超えるものを作ると言うステージが待っている。

まだまだ続きそうです。

ANOVAの夢、そしてバナナとの和解

あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。

 

今回の年末年始は私の身体がANOVAに憧れたのでしょう冷却機能をオフにしつつ普段よりも発熱反応を高めることによる臓器の低温調理をやり始めたので身動きが取れませんでした。

いくら頑張ってもわずか平熱から4度程度しか上昇しないと言うのに気づいたのか、3日後になってようやく「ANOVAになりたい」という無謀な夢を諦めた頃には私のあらゆる身体組織が破損している状態でした。

と言うことで体の復旧が必要となったのです。

 

早期復旧にはエネルギー効率の良い食べ物が必要に思い、考えると真っ先に上がったのがバナナでした。

しかし私はバナナを剥いて食べるのがあまり好きではありません。バナナ味は好きなので調理してしまえばいいのですがわずかに動くのも億劫な状態でそれは厳しい。

だいたいあの外側にわずかに残るパサパサ感が好きじゃないとか文句を言いつつ結局は剥いて食べました。(たぶん5年ぶりくらい)

 

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美味しい!バナナ美味しい。潤ってる。パサパサ感もない。

大いに気に入って一気に3本ほど食べてしまいました。

バナナと和解したのです。

 

なぜ剥いて食べるバナナを毛嫌いしていたのか深く考えてみると思い当たる節があります。

たしかバナナが原因で大怪我をしたことがあったのです。

詳しくは省きますが、幼少の頃の私の知能を持ってすれば冷凍したバナナが原因で右手の親指をザックリと切って5針縫うことくらい容易なことでした。

それから知らず知らずのうちにバナナを本能的に避けていたのかもしれません。

これからはバナナを剥いて食べることができそうです。

 

夏は麺づくり

あけましておめでとうございます。

間違えてません。前回の更新が2016年9月ごろなので。

今年最初の記事ということで去年の夏頃の話です。

 

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パスタマシンを買いました。

購入理由は高出力のオーブンが欲しかったからです。

だが夏は暑い。

エアコンの効いた室内に高熱源の設置を長時間維持するのはナンセンスだ。

という理由を付加してパン作り熱をパスタマシンでクールダウンすることになりました。

 

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カッコイイ。水汲み用のエンジンポンプに似てる。

 

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早速パスタを作りました。パスタってタマゴ麺なんですね。

自家製生パスタの感想をまとめると以下の通りです。

・生パスタを食べたことがなかったので正解が良くわからなかった。

 どうやら茹でるとツルツル食べれるらしい。

・茹で時間が短いとボソボソした感じになる。

・ツルツルになるまでには長めの茹で時間が必要っぽく感じた。

・ただし、私が作った生パスタが太すぎたという可能性あり。

 

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お次はうどんです。

パスタマシンで作る自家製うどんの感想は以下の通りです。

・1.5mmで切ったのは太めのひやむぎ。

フィットチーネの刃で切ったのは極太うどん。

・味は悪くない。

 

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そして中華麺。

パスタマシンで作る中華麺の感想は以下の通りです。

・低加水の生地で麺帯を作ろうとすると壊れそう。

・茹で時間が不明なのでよく観察しながら茹でる必要あり。

・細い麺の場合は茹で時間が20秒で十分だったりした。

・意外と美味しい。

 

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蕎麦も行けるのでは。ということで蕎麦も。

パスタマシンで作る蕎麦の感想は以下の通りです。

・蕎麦粉が高い。すごく高い。小麦粉の10倍以上する。

・蕎麦粉の性能が未だに良くわからない。

・小麦粉もそうだけど、そもそも蕎麦粉ごとに性能が違う。ややこしい。高い。

・ベタついて麺同士がくっつく。

・ベタついていたと思ったらすぐカピカピに乾く。

・生地が伸びやすくてローラーを回すと生地が伸びる。

・茹でるとバラバラになる。蕎麦寿司にしたいがその気力はない。

・うまくいかなかった後のパスタマシンの清掃は泣ける。

・たぶん生地の中の空気がうまく抜けてないのかも。

・上手に行くと美味しいし嬉しい。打ちたては香りもいい。

・当分は蕎麦粉関係を遠慮したい。

・もはやトラウマレベル。

・たまに思い出して「アアアアアーーー!ハアアー!ヌハー!」みたいになる。

・十割そば作ってる人は凄すぎるのでは。

・隠居して蕎麦粉を買う余裕があったら熱中しそう。

 

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蕎麦粉は高いし散々な目にあったのでライ麦で蕎麦っぽく加工してみた。

・蕎麦より上手く行く。これはもはや癒し。

・風味は蕎麦とは違うけれどそれっぽさがあってこれはこれでアリ。

・蕎麦よりもありとあらゆる方面に優しい。お小遣いにもヤサシイ。

 

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他にもいろいろやりましたが、全般的な感想は以下の通りです。

・最初の水回しで殆どが決まるのでパンと違って最初から真面目にやる必要がある。

・パンと違って後でフォローしても効果が薄い。

・なので未だに無駄に緊張するけれど失敗したら加水しまくってパン焼けばいいじゃんと言う気楽な気持ちが必要。

・失敗すると言っても、完全に失敗したのは蕎麦くらいなので大体は大丈夫。

・でも蕎麦のトラウマもあって未だに緊張する。

・いろいろあるけれど麺作りは楽しくて麺は美味しい。蕎麦粉は高い。

 

以上、麺作りでした。

次はオーブンの記事かパンの記事を書いたりします。

はてなのみなさんどうぞよろしく

しーさーブログから引っ越してきました。

あっちの記事はいつか移行しようと思ってます。

移行期間は私の怠惰度を考慮に入れると多分1年くらいかかるんじゃないのかな。